お母さまが30年以上前から住んでいる橋本邸。2010年頃から息子さん夫婦と同居を始め、お孫さんも3人に増えたことをきっかけにリノベーションをすることに。回廊型になっていたベースの作りは生かしつつ増築を行った今回のリノベーションについて、come-te編集部が建築士、橋本を交えてインタビューを行いました。
住みながらのリノベーション。信頼できる大工さんだからこそ。
come-te編集部(以下、編集部):まずは、建て替えの経緯について教えてください。
奥さま:リノベーションが始まったのは、2019年の夏頃ですね。子どもが増えて今までの間取りだと部屋数が足りず。今は、みんな小さいからリビングにいることが多いんですが、大きくなった時にそれぞれの個室を作ってあげたくてリノベーションを考えました。
奥さま:家族6人みんなで仮住まいをするのも大変なので、住みながら工事を進めてもらいました。
編集部:そうなんですね!なかなか住みながら工事を進めるのは特殊かなと思うのですが、問題はありませんでしたか?
旦那さま:工事のある箇所の荷物をその都度大移動させる形で対応していたので、仮住まいをするよりは良かったのですが、職人さんは大変だっただろうね。
お母さま:そうね。でも、大工さんが全員すごくいい方だったから助かったわ。お留守番までお願いするぐらい人間的にも信頼できる大工さんだったので不安はありませんでした。家にずっと張り付かずにいられて助かりました。
コミュニケーションもスムーズ。
編集部:橋本にお仕事を依頼されていかがでしたか?
奥さま:明るい方で、とても話しやすいです。こちらの思いつきや悩みにも歩み寄ってくれるので、すごく安心しました。何より女性同士だから、言葉でうまく表現できないニュアンスも感覚的にスッと伝わることも多くて、ストレスがなく快適でした。
お母さま:今回のリノベーションは、橋本さんとお嫁さんにお任せしていました。橋本さんは普段からよくお話聞いてくれるので、不安もなかったです。
奥さま:あと、橋本さんは普段からお洒落なので、何を選んでもらっても彼女の感性を通したものなら、ダサくならないだろうという信頼感もありました。
編集部:うまくまとめてくれるという信頼があったのですね。
奥さま:そうそう。おかげで家もかわいくなりました!
橋本:ありがとうございます。
家族6人でも快適に住めるような、様々な工夫。
編集部:3世代が快適に住めるような工夫された箇所はありますか?
旦那さま:庭の増築と、廊下の収納スペース。あと、二階のランドリースペースですね。
編集部:それぞれについて教えてください。
お母さま:広いお庭を活かして、子どもたちのプレイルームを設けました。子どもたちが庭で遊ぶ姿が、室内からでも見守ることもできて安心です。
奥さま:あとは廊下の収納スペース。今まで買い置きをストックする場所がなかったので、お母さんの部屋のクローゼット部分を廊下から開けられる収納スペースにしてもらいました。
編集部:そのような収納スペースは、とくに3世代同居のご家庭には本当にありがたいですよね。
奥さま:そうですね。あとは、書斎の壁を取っ払って、二階にランドリースペースを設けてもらいました。
編集部:実際使われてみてどうですか?
お母さま:日当たりがいい一階で干すときもありますが、梅雨の時は、2階のランドリースペースにかけて除湿機を回しています。季節によって使い分けられていいですよ。
奥さま:あとお母さんの花粉症がひどくて外に干せないこともあったので、室内に干せるスペースがあると安心です。
編集部:お母さまへのやさしさでもあるんですね。
奥さま:廊下の収納と洗濯場の収納も増えたことで、家事が楽になりました。お風呂場の扉を作ってもらえたことも将来を考えると良かったなと思っています。
奥さま:子どもたちが大きくなったら、リビングからお風呂場が見えたり、扉に鍵がなかったら嫌かなと思って。だから、お風呂場が完全に独立するようにしてもらえて良かったです。
3世代をつなぐ、60年前のピアノ。
お母さま:リノベーションのタイミングで私の部屋も2階から1階にしたのですが、それもよかったです。実はリノベーションを終えたタイミングで、膝が痛くなってしまい。部屋が1階に移り、階段の上り下りをしなくてもいいので助かっています。よく忘れ物を取りに戻ったりすることも多いのですが、それもパッと行けちゃう。
旦那さま:あとは、母の部屋の断捨離もしてもらいました。30年分ぐらいのモノが詰まっていたので、はじめは新しい部屋にすべて入れられるか母も不安に思っていたようですが、そこは思い切って。
お母さま:この中に収めなくちゃいけないっていう制限があると、なんとかなるものですね。断捨離のおかげで、洋服などが厳選されて、朝の支度時間が短くなりました。
編集部:思い入れのあるお家をリノベーションするのに抵抗はなかったですか。期待の方が大きかったですか?
お母さま:そうですね。私にとっては子どもの幸せが中心なので、自分の思い出は心の中にあればいいと。形あるものはいつかなくなるという気持ちで、今を大事にしたいと思っています。
奥さま:断捨離をたくさんしましたが、このピアノは残しました。
旦那さま:このお母さんのピアノも、もう3代目だもんね。
お母さま:そうそう、娘も使って。
お子さん:今は僕たちが使っているよ。
編集部:かなり年代物ですね。
お母さま:そうなんですよ。もう60年近く経ちますね。私の父に買ってもらったので、これだけは残したかったですね。調律師さんにも大事にしてくださいと言われたので。
旦那さま:今もちょうど子供たちがピアノの教室行ってきたところです。
お母さま:孫たちが弾いてくれるので嬉しいです。
勉強と遊びにメリハリ。お子さんを見守りやすい環境づくり。
編集部:このリビングに並んだ勉強机も奥さまが計画されていたんですか?
奥さま:いえ、橋本さんが提案してくださって。「普通に市販の机を購入して置けばいいかな」くらいに考えていましたが、橋本さんから「こういった作り付けの方が使いやすい」とアドバイスをいただいて。寸法もピッタリに設計していただきました。何より子ども3人が気に入っているので、作って良かったなと思っています。
編集部:リビングでお子さんが勉強されていると見やすいですか?
奥さま:そうですね、対応しやすいです。見ていないとサボるので(笑)まだ一人で勉強できる歳じゃないので、どうしても教えたり、声かけしたりしないといけないですしね。あとは、自分の部屋に戻らずにリビングでそのまま机に向かえるので、勉強が習慣になったと思います。
編集部:あの壁のマグネットも橋本のご提案ですか?
橋本:そうですね、奥さまから「お子さんが学校で作ったものや予定表を貼れるようにしたい」とご要望をいただいていたのですが、小さなお子さんに画びょうだと危ないと思い、マグネットをご提案しました。
奥さま:以前は、リビングが子供の遊び場でおもちゃが散乱していて、勉強の環境を作るのも大変でした。
お母さま:食卓と遊び場の境もなくて。でも増築した部分におもちゃを移動できたので住み分けができた感じね。子どもたちが友達を連れてきて遊ぶことも多くて、もう託児所みたいになることもありました(笑)
みんなで決めた新しい家。明るくてゆとりのある空間に。
編集部:初めて完成したお家を見た時、お気持ちはいかがでしたか?
奥さま:リノベーション前は床の色など全体的に暗かったのですが、そこが白くなることで、明るく広く感じるようになりました。
編集部:キッチンの色も素敵ですよね。
奥さま:実は、最終的に子どもが決めてくれたんです。私だけだったら後々のことを考えた無難な色を選んでいたと思いますが、子どもたちは明るい色を選んでくれました。
橋本:元気の出る色ですよね。
奥さま:キッチン色以外にも、選ぶ作業は結構大変でした。シンクの色だったり、カーテンの色だったり…。素人だと、色や価格だけで判断してしまいがちですが、橋本さんは素材の特性なども考慮して我が家に合ったものを都度ご提案くださり助かりました。例えば、直接肌に触れるリビングダイニングの床の素材や、子供たちの机は無垢材がいいですよとか、それ以外のところはコストを抑えて…など橋本さんに色々リードしていただいたおかげで、費用も機能も満足できるリノベーションができました。
編集部:旦那さまはリノベーションをしてみていかがでしたか?
旦那さま:窓をなくす増築のときに暗くならないかと気になっていたんですが、それが思った以上に光が入って、予想以上に広く感じます。
橋本:どこに穴を開けるかなど、採光の計画についても練っていました。
編集部:光が本当に綺麗ですもんね。お母さまはいかがですか?
お母さま:私も毎日快適で楽しいです。収納などを整備してもらえたことで、今までごちゃごちゃしていたものがすっきりして。スペース的にも心にも余裕が出てきました。
子育てしやすくて、家族がもっと温かくなる家。
編集部:新しくなったお家で、どこが一番気に入っていますか?
奥さま:私は二重サッシが一番です。結露がつかないことに感動しています。以前は、カーテンも濡れてしまったり、木材が剥げてカビが生えてしまったりと、お掃除も大変でした。
奥さま:エアコンが冬でも24度くらいで十分で、それ以上あげちゃうと逆に暑いくらい。以前は、エアコンを28度くらいにしてもまだ寒くてガスストーブも使っていたのに。本当に夢の二重サッシのおかげです(笑)
編集部:お母さまは、お気に入りスポットはありますか?
お母さま:一つに選べないですね、全部気に入っていて。でも一つだけ挙げるとしたら、増築した部分かしらね。日当たりも良くて、お庭も見えますし。
旦那さま:私は、リビングに作った子ども3人並んでいるデスクかな。
奥さま:後ろ姿が萌えポイントだよね。
旦那さま:子どもたちが見れて安心だし、勉強を見てあげる時も、まとまっていてくれるから楽だね。
お母さま:そうだね。
奥さま:家事をしながら見てあげることもできるし。
旦那さま:リビングは、やっぱりオープンな感じでいいなと思っています。今後、子どもが成長して部屋を変えていく時は、ここのスペースは自分の書斎にもできそうですし、将来的にはパソコンスぺースにもできるかもしれませんね。
橋本:ぜひ変更の時はお任せを。
編集部:楽しいお話をたくさんありがとうございました!